平方根の場合
これまでの連分数と漸化式の議論で、
ならびに
と表されることが分かりました。ここでは、参考文献[5,p291]に従って、連分数に対する
と漸化式
のととの間に、どのような関係があるか考察します。また、をを用いて表してみます。まず(3),(4)より、
が成り立ちます。(5)より、のとき、
となります。(6)に代入すると、
となります。(3)に代入すると、
が得られます。一方(6)より、のとき、
となります。(5)に代入して、
となります。(4)に代入して、
が得られます。(1)(2)(7)(8)より、において、
が成り立ちます。ここで(9)より、となります。よって、
となります。したがってとおくと、となります。一方(10)より、
となり、
となります。したがって、とおくと、となります。すなわち
となります。まとめますと、で
が得られます。一方、なので、
となります。したがって、
となります。次にいくつかの例を示します。
j=0, k=1/2の場合
このとき、2γn=βn,δn=αnとなります。行列Aを、
としますと、の連分数展開が得られます。いくつかの例を示します。
例1
のときであり、連分数は次のようになります。
例2
のときであり、連分数は次のようになります。
例3
のときであり、連分数は次のようになります。
例4
のときであり、連分数は次のようになります。
例5
のときであり、連分数は次のようになります。
例6
のときであり、連分数は次のようになります。
j=k=1の場合
つぎに、j=k=1の場合を考えます。このとき、次の行列Aが得られます。
一方、黄金比の値をとしますと、この行列Aにより決まるPn、Qnを用いて、となります。
今、Fibonacci数列を、としますと、
となることが確認できます。ここで、行列は、先のAの条件(j = k = 1)を満たすため、黄金比を表す連分数を求めることができます。次にいくつかの例を挙げてみます。
例1
のとき、連分数は次のようになります。
例2
のとき、連分数は次のようになります。
例3
のとき、連分数は次のようになります。
例4
のとき、連分数は次のようになります。
例5
のとき、連分数は次のようになります。
例6
のとき、連分数は次のようになります。
例7
のとき、であり、連分数は次のようになります。
例8
のとき、であり、連分数は次のようになります。
例9
のとき、であり、連分数は次のようになります。
例10
のとき、であり、連分数は次のようになります。
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